山口県下関市と韓国・釜山市を結ぶ関釜フェリーが6月に就航から50周年を迎えた。ところが新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、3月以降は旅客運航を休止し、貨物だけ取り扱う運航が続いている。旅客便の運航再開も、記念行事の開催も、見通しは立っていない。
拡大する7月31日までの旅客運休が表示され、がらんとした下関港国際ターミナルの窓口=2020年6月25日午後4時23分、山口県下関市、貞松慎二郎撮影
下関港国際ターミナルの窓口には、7月末までの旅客便の運休がモニター表示され、訪れる人はまばらだ。これほど長期の旅客運休は初めてのこと。「乗客増の期待はあったが、目算が狂った」という関釜フェリーの上野英俊常務取締役は「船員も陸上の社員も、必要最小限の態勢でやっている」と打ち明ける。
関釜フェリーは、乗客の8割ほどを韓国人が占める。年間の乗客数は24万人近くを記録した2010年がピーク。航路開設40周年記念ツアーが好評だったという。その後は下降気味で、昨夏からは日韓関係の悪化が大きく響いた。そこに新型コロナが追い打ちをかけた。
下関、釜山の両市は1976年…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル